タガメの生態の一つにメスが卵を壊すという行動があります。

せっかく産んだ卵をと不思議に感じますが、この場合のメスが壊しているのは別のメスが産んだ卵です。

生き物にとって種の存続はとても重要なはずなのに、なぜ卵を壊すのでしょうか。

ここでは、タガメの生態として、なぜメスが卵を壊すのかについてみていきましょう。

タガメ 卵 壊す

自分の子孫を残すためタガメのメスは卵を壊す

メスのタガメが別のメスが産んだ卵を壊す理由は、自分の遺伝子を残すためです。

自分の子孫を残すために卵塊を壊すこの行動は、タガメ亜科すべてのメスがおこなう訳ではありませんが、本種の習性として持っています。

産卵から孵化するまでの期間は、タガメのオスが敵から卵を守ったり、卵の乾燥を防ぐため補水作業をしたりします。

当然この卵には、産んだメスの遺伝子と守っているオスの遺伝子がはいっていますが、この卵を壊されたらどういうことになるでしょう。

オスのタガメは自分の子孫を残せないことになります。

そのため、再び繁殖相手を探すことになる訳ですが、最も近くにいるのは卵を壊したメスのタガメです。

卵を壊されたオスと卵を壊したメスが繁殖行動をおこなうことで新たな卵塊が誕生、オスとメスの遺伝子、子孫が残ることになります。

これが、タガメの生態として知られる、メスが卵を壊す理由です。

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ここで、卵を壊されているあいだ、卵を守る役割のオスは何をしているのかと疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。

もちろん、タガメのオスも黙ってみている訳ではありません。

卵を守るために戦いますが、ほぼメスに勝つことはないといって良いでしょう。

これは、メスの方がオスより強く、共食いがおこった場合はメスがオスを捕食するケースが一般的だからです。

自分の子孫を残すために同じ種類の子を攻撃する行動は、哺乳類のライオンにもみられる行動です。

理不尽とも思える行動ですが、何よりも自分の遺伝子や子孫を残すという命題が最優先されるのでしょう。

まとめ

ここまで、タガメの生態として、なぜメスが卵を壊すのかについてみてきました。

卵を壊す理由は、自分の子孫を残すためです。

卵を壊されたオスも自分の子孫を残すため、卵を壊したメスと繁殖行動をおこない新たな卵塊を作ります。

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