黒色や茶褐色の体で素早い動きをみせるタガメ。
タガメをみていてゴキブリやコオイムシを連想した方もいるのではないでしょうか。
確かにゴキブリは黒光りする体色で、とても素早い動きです。
また、コオイムシにおいては、タガメのミニチュアといえるほど形が似ています。
一見すると似ているようですが、これらの生き物たちの違いはどのようなものでしょうか。
人を噛む?タガメとゴキブリの違い
タガメとゴキブリは昆虫という大きなグループのなかの生き物ですが、それぞれに属している場所が違います。
タガメはカメムシ目・コオイムシ科に分類するため、カメムシの仲間です。
ゴキブリは以前バッタの仲間と分類していましたが、現在は別のゴキブリ目に属しています。
どちらの昆虫も食欲旺盛、何でも食べるイメージがありますが、タガメは肉食性でゴキブリは雑食性とハッキリした違いがあります。
また、人に捕獲されたときタガメは、反撃や防御として人を噛みますが、自ら噛みにいくことはありません。
対してゴキブリはタガメと違い人を噛みます。
人が動いているときには、素早く動き物陰に隠れていますが、人が眠っているなど静止している状態に噛むことがあります。
これは、水分の補給や自分にとって脅威のない栄養源と判断したときにゴキブリがとる行動ですが、タガメにはみられない動きです。
卵は背中で育てる・タガメとコオイムシの違い
コオイムシという名前、ちょっと不思議な感じがしますね。
子を背負うことに由来する名前ですが、これがタガメとコオイムシの違いを表しています。
タガメの産卵は、水面から突き出た杭の表面に産み落としますが、コオイムシが卵を産む場所はオスのコオイムシの背中です。
その名の通り、背中に産み落とされた卵をオスのコオイムシは孵化まで世話をします。
酸素を与えるために卵を水面からだしたり、孵化がはじまると幼虫が外に出やすいように体を揺らしたりします。
孵化までのあいだ背中に卵が乗っているため、空中を飛ぶことはできませんが、ほかの行動は可能ですから捕食に支障をきたすことはありません。
まとめ
ここまで、タガメとゴキブリ、タガメとコオイムシの違いをみてきました。
タガメとゴキブリは、そもそも属している場所に違いがあり、タガメはしない自ら人を噛む行動をゴキブリはするという違いがありました。
タガメとコオイムシの違いは、産卵した卵を孵化するまで背中で育てることをコオイムシがすることでした。
子煩悩なお父さんといったところでしょうか。