コオイムシは、水中昆虫の一種です。
生活を、水中で行うのが水中昆虫の特徴なのですが、ずっと水中で生活している昆虫もいれば、そうではない昆虫もいます。
コオイムシは泳ぐのが得意ではないので、ずっと水中で生活しているわけではありません。
では、コオイムシとはどのような昆虫なのでしょうか。
生態を詳しく紹介します。
コオイムシの生態
コオイムシは、カメムシ目コオイムシ科コオイムシ属に分類されます。
日本全国で見つける事ができ、北海道や四国、九州でもその姿を見かけます。
その他では中国や朝鮮半島でも見つかっています。
4月~8月になると、メスがオスの背中に卵を産み付けるのですが、オス一匹に対し、メスは複数というのが特徴です。
数は70個から、多ければ100個程度も産む事があります。
オスの保護する卵塊は1シーズンで最大でも8卵塊だといわれます。
オスが卵を保護するのは昆虫類では珍しい事です。
しかも、オスは卵を常に持ちつつ移動をするので、「子負虫」という漢字がつけられています。
これは、子守をする人間とコオイムシが似ているという事が由来です。
生息地域は、平野部の水田、溜め池や、沼地です。
水深は数㎝~数十㎝。
水草の茂った場所を好み、日当たりの良い浅い水域で生息しています。
しかし、かつてのようにどこの水田でも見られる状態ではなく、水田へ農薬が大量に散布されてからは水田自体が減ってしまいました。
ですので、都市部では姿を見かけなくなってしまったのです。
年代にして、昭和30年代頃。
しかし、21世紀となり、徐々に回復傾向にあります。
ライフサイクルは、3月下旬ごろからで、同時期に繁殖行為もスタートします。
新成虫が羽化するのは7月下旬~8月で、10月頃になると陸上か水中で越冬を行います。
捕れる時期は、なんと一年中で、捕まえる時にはコツが必要です。
まず、岸辺の水草をタモ網ですくい、それから採取するとうまくいきます。
食事は、カメムシや魚類などを食べます。
コオイムシは飛ぶの?
ずばり、コオイムシは飛ぶ事が可能です。
ですから、蓋の付いている飼育ケースを選んであげてください。
しかし、産卵期の4月~8月は卵を世話しているオスは飛ぶ事すらできません。
過積載ぎみのコオイムシ。
幼虫も沢山みかけた。 pic.twitter.com/njvJFGLGgg— たがめおじさん (@tgm_o) 2018年5月19日
まとめ
やはり、コオイムシの生体はなんとなく謎に満ちている感じがしますね。
オス一匹に対して複数のメスが卵を産むというのも、個性的な感じがしてしまいます。
しかも、その後ずっと、オスが卵の保護をするのですから、昆虫界の中でも珍しい存在なのですよね。
人間界でも、イクメンなお父様が増えているので、なんとなく最先端をいっているようなイメージさえします。
また、飛ぶというのも意外な情報でした。
飼育する際は、気を付けてあげる必要がありますね。