川の中には沢山の生物が住んでいますね。
なかでもカワゲラをはじめとする水生昆虫は様々な種類がいて、好む水質や環境は個体によって違うと言われています。
このカワゲラ、水がきれいな場所でないと見つけられないのです。
今回はカワゲラの生息する環境とその水質にまつわるお話をしていこうと思います。
カワゲラの住む河川の水質は森林と密接な関係があるのです
結論から言ってしまうと、カワゲラはきれいな水にしか住みません。
カワゲラのようにきれいな水を好み生息する水中昆虫を、一般に「指標生物」と呼びます。
水のきれいな程度を4段階にわけ、それぞれの等級に振り分けることで、その川の環境状態がはっきり解るのです。
さて、川の水がきれいであるための条件として必要なことは何でしょうか?
実は川の水質には、「水温」と「溶存酸素(水に溶けている酸素の量)」が関係しているのですよ。
川の水に溶けている酸素の量は、水温と川の水の汚れ具合によって変わります。
水温が低いほどより多くの酸素が水中に溶け、水温が上がれば溶ける量は少なくなってしまうのです。
それから、水中の植物も酸素を作るのに貢献していますが、汚れている川では水中の酸素は細菌等が多く使うため、どうしても濃度は低くなります。
また、森林が川の水を綺麗にしてくれるのです。
森の中の土には沢山の小さな隙間が空いていて、その隙間にはカビやバクテリアといった微生物が存在します。
この微生物が、雨水に含まれるゴミやホコリを分解してくれるのですよ。
そして、土の中には微生物と一緒にイオンがいます。
このイオンは土の中にある「アンモニア」や「リン」「窒素」などのイオンと結合し、これらの物質が増えすぎないように取り除いてくれるのです。
そのお陰で、森の中を通った水は綺麗になり、森は「自然の浄化装置」としての役目を果たしています。
カワゲラを酸素量の少ない水に入れると、苦しそうに手足をバタバタと動かします。
えらを使って酸素を集めようとしているのでしょう。
人間だって片付いていない部屋にいるより、きれいな部屋にいたほうが快適ですよね。
だからカワゲラは森のある山奥の河川や渓流を好んで生息しているのだと思います。
まとめ
カワゲラは「水温が低く」「水中の酸素が多い」水質の河川でしか暮らせないのです。
その水質は、森が密接に関係しているのですね。
きれいな水は空気もきれいにします。
カワゲラの生息する川でリフレッシュしてみるのも良いかもしれませんよ!