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タ「水中のギャング」の異名を持つのが水生昆虫のタガメです。
体長6センチ前後と確かに一般的な昆虫としては小さくないサイズですが、それ以上にパワフルな捕食方法にびっくり!
そのギャップに魅せられてか、タガメのとりこになる人は後をたちません。
その驚きの捕食方法とは?
そして捕食対象とは?
タガメの捕食事情を見ていきます。
タガメの捕食方法は強烈!?
昆虫で凶暴なイメージというと、カマキリの腕があげられるでしょうか。
虫を素早い動きで封じ込め、たちまち捕食してしまいます。
カマキリはどちらかと言えばスピーディーなハンターですが、タガメは実にパワフルな捕食者なのです。
その捕食方法はというと、使うのは鎌に似た形状の前足。
自ら動き回って餌を捕食するのではなく、獲物が自らの前を通り過ぎるときを虎視眈々と待っています。
水中を動き回るゲンゴロウとはこのあたりが違いますね。
待ち伏せし、眼前を獲物が通りかかった瞬間、強力な前足で獲物をとらえるのです。
食事方法はそのままかぶりつくのではなく、ストローのような形の口を獲物に突き刺し、そこから消化液をそそぎ込みます。
これによって獲物が消化され、その部分を吸って食べていくのです。
「体外消化」と呼ばれるこの手法、なかなか強烈なインパクトを与えます。
それは食事後の姿を見てもわかるのですが、タガメが捕食した獲物は骨と皮膚しか残りません。
それ以外は消化液でとかされてしまうのです。
タガメが注入する消化液は毒性が強く、人間であっても無傷ではすまない強さです。
力強い前足と毒性の強い消化液を駆使して、タガメは水中であれば向かうところ敵なしの「ギャング」として君臨しているのです。
タガメが捕食する生き物。カエル、ヘビ、カメまで!?
体外消化を駆使しているタガメにとって、捕食できないものはほとんどないといっていいでしょう。
自分よりも身体の大きい獲物を捕食することはしばしばです。
たとえばオタマジャクシだけではなくその成体であるカエルも消化液を注入して捕食。
毒性の強いヘビ、マムシや、強固な甲羅を誇るカメでさえも同様にしとめていきます。
タガメにとってヘビなどは捕食される存在でもありますが、まさに「食うか食われるか」の激闘を日夜繰り広げているのです。
水中では敵なしのタガメですが、もし弱点をあげるのなら、それはタガメ自身にほかなりません。
タガメは共食いをする昆虫ですので、卵を破壊したり、弱っているタガメを捕食することは日常茶飯なのです。
かなり昔に飼育していたタガメの写真が出てきた。冷静に考えると昆虫が脊椎動物を捕食するというのはすごい。写真の個体は関東北部で採集したもの。まだいるのだろうか。 pic.twitter.com/aAE3a8NQqh
— YAMAMOTO, Shuhei (@yamashu_64) 2017年3月30日
まとめ
なぜタガメが「水中のギャング」と言われるのか、その所以は理解できたでしょうか?
たかが昆虫、されど昆虫。
しかし自分よりもずっと大きな獲物を捕食する姿は驚愕であると同時にかっこよく映ります。
そういった部分に魅力を感じるファンも多いのかもしれませんね。