以前は水田や沼などで姿を見ることができたタガメ。
実際に捕まえた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。
現在ではとても希少な存在となり、目にするのも昆虫図鑑やネットのなかでという方が多くを占めています。
数は激減し環境省のレッドリストに挙げられる絶滅危惧種ではありますが、タガメは今でも日本に生息しています。
ここでは、タガメの生息地について見ていきましょう。
激減したタガメの現在の生息地
1950年代までは、都市部を含む日本の水田や池、沼や湖などで生息していたタガメですが、農薬の使用による水質悪化で個体数は激減、1980年頃には各地でその姿を消していきます。
その後も、土地の開発などで生息地が失われ、東京都・神奈川県・石川県・長野県では、ほとんどのタガメは絶滅しているため、姿を見ることはないといって良いでしょう。
タガメ採取の報告がある茨城県や栃木県、岡山県は現在のところはタガメの生息地といえます。
しかしながら、こちらの地域のタガメは、現状は比較的大丈夫ですが、将来的には絶滅の危険性がある準絶滅危惧種です。
ほかの地域と比べて、タガメと出会える可能性が高い生息地としては、秋田県・岩手県・福島県・岐阜県・京都府・奈良県・大阪府・兵庫県・鳥取県・山口県などが挙げられます。
タガメがいる可能性が高い生息地とはいっても、数そのものが激減している訳ですから簡単には見つからないでしょう。
タガメが生息する場所にはいくつかの条件があります。
タガメは、水質にとても敏感な生き物です。
そのため、農薬や除草剤などの薬品で汚染された場所に生息することはありません。
ピレスロイド系の農薬を一度でも使用した場所には、タガメの姿を見ることはないでしょう。
小魚やほかの水生昆虫が生活し、水生植物がある場所が理想的です。
タガメを含めほかの生物が生息しているということは、それだけ水質の良さを示し、タガメの餌も豊富にあることを意味しています。
まとめ
ここまで、タガメの生息地についてみてきました。
絶滅危惧種に指定されるほど減少し、東京都や神奈川県などではタガメの姿を見ることはできません。
では何処でタガメは見れるのか?
秋田県や岐阜県、大阪府、鳥取県などです。
そのなかでも、汚染のない水質が良い場所が生息地として挙げられます。