日本の川には、四季を通じて多くの生き物が暮らしています。
コイやウグイにイワナといった魚類はもちろん、カワニナなどの貝の仲間、サワガニやカエルなどこれらをまとめて「水生生物」(すいせいせいぶつ)と呼びます。
川にいる昆虫は「水生昆虫」と呼ばれ、トンボの幼虫のヤゴや、カゲロウ、ユスリカ、そしてカワゲラなどです。
その中でもカワゲラは種類が多く、まだ解明されていない部分も多いようですね。
カワゲラの幼虫はどのような場所で過ごし、どんな物を食べたりしているかを皆さんはご存知でしょうか?
今回はカワゲラの幼虫の生態についてご紹介していきます。
カワゲラ幼虫、その生態は?
カワゲラの仲間は、その殆どの種類が幼虫時代は、水温が低くきれいな川の中で過ごします。
水質汚染が進み、最近ではカワゲラの姿を見ることのできる川は随分減ってしまいましたが、カワゲラの生息する川は水質が良いということで、河川環境の指標としても利用されています。
実は、川の水質の良し悪しには、水に溶けている酸素の量が関係しているのですよ。
水温が高ければ溶ける酸素の量は少なくなり、低ければより多くの酸素が溶けるのです。
カワゲラは流れの緩やかな平瀬や山間の渓流を好んで、水の中の石の間や沈んだ落ち葉の中で過ごしますが、これは水の汚れに敏感な指標生物ならではの生態です。
小さいカワゲラの幼虫は石に付着した藻類を食べるグレイザーと落ち葉を食べるシュレッダー、大きいカワゲラの幼虫は他の水生昆虫を食べる肉食性のプレデターと分類されるようですね。
大型の幼虫は、イワナなどの大好物でよく渓流釣り用の餌として親しまれています。
ところで、カワゲラは昔から信州地方の山間部に住む人々にとって、貴重なタンパク源として食べられていたことをご存知ですか?
よく「ザザムシ」という名称で、この頃はテレビでも紹介されたりすることも多いですね。
グロテスクな見た目ですが栄養価は抜群、佃煮は50gで2000円近くもする高級珍味と言われているようですよ。
まとめ
カワゲラの幼虫の生息場所や、草食性・肉食性の個体がいること等をお話してきました。
水質に敏感なカワゲラを見つけることができる川は、その他の生物も住みやすい場所ということですよね。
カワゲラの幼虫をさがして、夏の川遊びも良いのではないでしょうか!