夏は川遊びのシーズンですね。
水辺の動植物が一番生き生きと活動するこの時期、子供たちの声が河原から聞こえてくると、「夏だな~」って思いますよね。
皆さんは水生昆虫という言葉をご存知でしょうか?
言葉の通り「水の中で暮らしている昆虫」のことですが、どのようなものがいるか知っていますか。
トンボの幼虫ヤゴ、ゲンゴロウ、ミズスマシにホタル辺りはよく知られていますから、見かけたこともあると思います。
今挙げた水生昆虫は比較的下流に生息していますが、少し上流に上がり渓流域にいくと、カワゲラやトビケラ、カゲロウの幼虫がきれいな水の中にいます。
いずれも成虫になると翅が生えて空を飛ぶようになります。
川辺で飛んでいる姿をみるとよく似ているのですが、実は少しずつ違いがあるのです。
この違いを少し簡単にご紹介します。
カワゲラとトビケラの幼虫は見た目に違いがあるのですよ!
カワゲラとトビケラは、まず幼虫の時期の外見が明らかに違います。
まずカワゲラはいかにも「昆虫」という姿で、胸の3つの部分がまるで団子がくっついているような見た目ですね。
そしてトビケラは、見た目が「芋虫」のような姿をしていて、胸部に3対の足がついています。
身体の特徴だけでなく、実は生態にも違いがあるのです。
トビケラは水中の落ち葉などを食べて生きる昆虫ですが、幼虫は落ち葉や木の枝、小石を使って自分を守るための巣を作ります。
中にはクモのように口から糸を履いて網を張り、流れてくる餌を捕獲するものもいるようですよ。
カワゲラにはこのような巣作り行動はないのです。
芋虫のような姿ゆえ、敵からすばやく逃げることが出来ない事を「巣作り」することで防いでいるのですね。
それから、成虫になるとカワゲラもトビケラは翅が生えて飛ぶようになりますね。
通常、蛾や蝶の仲間は体や羽を鱗粉と呼ばれる鱗状の形成物がつくのですが、トビケラには鱗粉がありません。
そのかわりにトビケラの体には、刺毛(しもう)という微細な毛が生えてくるのです。
カワゲラとカゲロウの違いは「ツメ」「エラ」にあり!
さて、カワゲラとカゲロウはよく間違えられる昆虫ですが、特徴としてカワゲラは脚のツメが2本、カゲロウは1本しかありません。
それから、カワゲラ・カゲロウ共にエラをもっているのですが、カワゲラは胸部下面や腹部の末端に房状のエラがついているのに対して、カゲロウは腹部の両側にこの葉上の大きなエラがついています。
まとめ
カワゲラ・トビケラ・カゲロウの違い、少しはご理解いただけたでしょうか?
外見やその生態でそれぞれの区別がつくとはいえ、かなりの数の種類が存在するので難しいかもしれません。
でも、見分けられるようになれば、水生昆虫博士になれる日も近いかも!!