桜の季節が過ぎ、晩春から梅雨が終わるまでの期間が、カゲワラが最も目につく時期と言われています。
そんなカワゲラ、あまり長い時間成虫として過ごすことが出来ないってご存知でしょうか?
今回はカワゲラの寿命について、お話していきます。
カワゲラの成虫の寿命は2週間、本当に薄命なのです
「愛は~かげろう~♪」って歌もありましたが、実はカゲワラも成虫で世の中に出てきて過ごせる時間は短い昆虫なのです。
一般にカゲワラの仲間の成虫、というより水性昆虫の成虫は寿命が3日~2週間程度と言われています。
中には数時間で寿命が尽きてしまう種もいます。
カワゲラの幼虫時代は2~3年と長く、水中の小さな虫を食べながら過ごすのに比べたら本当にあっという間ですね。
さて、そんなカゲワラですが中には1ヶ月以上生きる種類が存在するのですよ。
セッケイカワゲラというカワゲラで、北海道から本州の積雪地帯に生息していて「雪虫」とも呼ばれています。
クロカワゲラ科の昆虫で、英語ではwinter stonefly(冬のカワゲラ)、昔から登山者の間では「雪渓虫」(せっけいむし)の名前で親しまれているようです。
その名の通り、セッケイカワゲラは初冬に成虫として羽化、しばらくは雪上で生活し、初春に成熟してから交配及び産卵の後に寿命を迎えます。
普通の昆虫の成虫は夏に活動して冬には寿命を迎えますが、セッケイカワゲラはその逆で夏に寝て冬に活動するのですよ。
寒い雪の上で生活する昆虫がいるなんて、ちょっと信じられませんが、実は世界中の氷河や積雪してる渓谷などの雪と氷の世界にいろんな雪虫が生息していことが、最近の研究でわかってきました。
つくづく、不思議な昆虫ですよね。
昆虫採集をしている人がいたので、聞いてみたら、「雪渓カワゲラ」という虫だそうだ。雪の中に生息してるんですね。 pic.twitter.com/PhnYwOeTZN
— duckhouse_jp (@duckhouse_jp) 2015年2月21日
まとめ
というわけで、一般的にカワゲラと呼ばれる種類の平均的寿命は3日~2週間というところでしょう。
ですがセッケイカワゲラのように、初冬から新春にかけ1ヶ月以上生きる種類も存在します。
この不思議な昆虫、冬の雪山に行く機会があれば、是非お目にかかりたいですね。