ここでは、ギンヤンマのヤゴの越冬についてみていきましょう。
ギンヤンマは4月~9月にかけて繁殖行動と産卵をおこないます。
卵から孵化したヤゴは羽化するまで3ヶ月~4ヶ月ほどですので、孵化した時期によっては翌年まで冬を過ごすことになります。
越冬は他の種類のトンボもおこないますが、越冬の仕方に違いがあります。
ギンヤンマのヤゴの越冬とはどのようなものでしょうか。
また、飼育時において注意するべきことはあるのでしょうか。
ギンヤンマのヤゴの越冬タイプ
ギンヤンマのヤゴは幼虫の姿で冬を越します。
これは、幼虫越冬タイプで日本のトンボのヤゴ約85パーセントがこのタイプです。
この他には、卵のまま冬を越す卵越冬タイプで、アオイトトンボやルリボシヤンマ、アカネ属の全種などを含みます。
アオイトトンボ属はイネ科などの植物組織内で、ルリボシヤンマ属は水面の苔や朽木など、アカネ属は水底や水際の湿土のなかで時を待ちます。
成虫越冬するのは、ホソミイトトンボとオツネントンボ、ホソミオツネントンボです。
日本において成虫で冬を越すのはこの3種類だけで、日当たりが良く雨風を防ぐ場所で過ごします。
越冬をしているときのギンヤンマのヤゴは、水中のなかで眠っている状態のためエサを捕食することもなく脱皮をおこなうこともありません。
ヤゴでいる期間は3ヶ月~4ヶ月が一般的ですが、越冬する場合には約8ヶ月ほどヤゴの状態となります。
飼育時におけるヤゴの越冬の注意としては、基本的に飼育ケースの水が凍結することを防ぐことでしょう。
同時に環境温度による乾燥でヤゴが眠っている水の減少にも配慮が必要です。
飼育ケースの水のなかで静かに眠っている訳ですから、エサを与える必要もありません。
激しい振動や騒音がない場所での保管が理想的でしょう。
まとめ
ここまで、ギンヤンマのヤゴの越冬についてみてきました。
卵越冬や成虫越冬などがある越冬タイプのなかでギンヤンマのヤゴは、幼虫の姿で冬を越す幼虫越冬タイプに属します。
翌年に活動をはじめるまでエサを食べたり、脱皮をしたりすることもありません。
ギンヤンマのヤゴを飼育する場合には、飼育ケース内の水の凍結や乾燥に注意することを心掛けましょう。