絶滅の危機が囁かれているタガメを繁殖させたい!
幼虫から育成してみたい!
そう望む人もいることでしょう。
タガメの産卵は複数回行われるとはいえ、実際に孵化に成功したとしても、成長過程で脱落してしまう例は後を絶ちません。
孵化がうまくいき、幼虫を育てることになったら?
成虫と異なる幼虫の飼育方法をチェックしていきましょう。
とっても繊細!タガメの飼育方法・幼虫編
産卵から約一週間ほどでタガメの幼虫が孵化します。
これから脱皮を繰り返して成虫になるのですが、タガメの幼虫は成虫と異なり非常にデリケートなケアが求められます。
成虫であれば多少の水質の悪化は許容範囲でしたが、幼虫の場合ほんの些細な変化にも対応できないおそれがあります。
水質、水温はもちろんのこと、水槽内で大量に孵化するタガメ同士で共食いをしてしまう場合もあるのです。
孵化はうまくいっても成虫になれるタガメは非常に少ないです。これが、幼虫を飼育する難しさといってもいいでしょう。
では、幼虫を飼育する際に何に気をつければいいのでしょう?
タガメの幼虫の飼育にあたっては、脱皮の段階に応じて適切な処置が変わってきます。
前提として水質を一定に保ち、水温は適温で管理すること。
水換えは頻繁に、そして一気に行ってしまうと急激な環境の変化に幼虫が適応できなくなってしまいますので、一度に水換えする量は配慮する必要があります。
初令幼虫の時期は同じ水槽で飼育することが可能です。
むろん共食いのリスクは消えませんが、小さな身体であることと捕食行動を考えると釣り合いがとれるともいえます。
脱皮をした2令幼虫、3令幼虫の段階になるとエサの取り合いや共食いが本格化するため、個別に水槽で育成することが求められます。
多くの個体を別々の水槽に移し、水質・水温管理をする。
これがタガメの幼虫の飼育でもっとも大変な作業かもしれません。
個体の管理は非常に気を使いますが、そのぶん成虫になったときの喜びは格別です。
タガメの幼虫はエサに何を食べる?
初令のタガメであればコオロギやメダカなど小魚を与えましょう。
あまりにエサが大きすぎるとエサに身体が振り回されるおそれがあります。
また、初令幼虫は一匹が捕食をはじめると周囲の幼虫も捕食行動を開始する傾向があります。
複数の幼虫がエサに群がることを鑑みると、小魚くらいのサイズが好ましいです。
エサのサイズの目安は幼虫と同じくらいの大きさのものを選ぶことです。
2令、3令以降はカエル、オタマジャクシ、ヤゴ、小赤などサイズのあったエサをチョイスするようにしましょう。
まとめ
生まれたての生き物は弱っているものです。
免疫ができておらず、力もないため食物連鎖では格好の餌食となってしまいます。
水槽で飼育する場合も繊細な身体であることに変わりはありません。
また、タガメは共食いをすることも複数の幼虫を飼育する上では懸念事項となるでしょう。
成虫にいたるための飼育は非常に手がかかりますが、そのぶん成虫になれば向かうところ敵なしの「水中のギャング」に成長します。
そのときまで手塩にかけて育てるのもひとつの楽しみといえるかもしれませんね。