ゲンゴロウには絶滅に瀕している種が多いですので、採集した場合にぜひ標本にして残しておきたいと思われるかたも多いでしょう。
ここでは、ゲンゴロウを標本にしてそのままの形や色合いを残すために注意すべき点などをご紹介します。
ゲンゴロウの標本の作り方について
一般的な昆虫採集セットがあれば、簡単に作ることができるでしょう。
その場合には、防腐剤を注射するという過程があるようですが、実は普通に乾燥させるだけで大丈夫なのだそうです。
乾燥が保てる安全な場所で1週間から10日程度放置しておけば、形を変えることなくカチコチにかたまるそうです。
ただし、触角や脚などに触ってしまうととれてしまう恐れもありますので、デリケートな扱いをすることが大切になるでしょう。
ゲンゴロウの標本作りで何より大変なのは、色をそのまま残すことといわれます。
甲虫の中でも変色しやすい種類であるそうで、体からでる脂分により黄色などの明るめの色が黒ずんでしまうのだとか。
これは、幼虫時代に肉食であったことが完成しており、腹部から脂が出やすく、それが翅などにしみわたってしまうと、標本としては体裁が成り立たないということになるのですね。
そのため、標本作成愛好家の間では、仕上げの工程で有機溶剤を使用して虫の脂抜きを行う人が増えているともいわれます。
方法は簡単で、アセトンのような有機溶剤にゲンゴロウなどをひたしておくのですが、これにより体から溶け出した脂でアセトンが茶色の液体になるほどだそうです。
変色したアセトンは交換し、変色しなくなるまでこの工程を繰り返します。
注意点としては、アセトンは一瞬にして虫の体の柔軟性を奪ってしまい、ちょっとした衝撃でも脚などがとれてしまう恐れがあるため、一つの容器に一度にたくさんの虫を入れないよにすることが挙げられます。
虫同士がぶつかり合うだけでもダメージがあるかもしれません。
ちなみにアセトンで脱脂することにより、すでに脂シミができて真っ黒になっていた個体が生前の色合いを取り戻すこともあるそうですので、試してみる価値はありそうですね。
脱脂がすんだら乾燥させればほぼ完成ということですね。
まとめ
昆虫類の愛好家なら、貴重な種類の昆虫を生きているままの状態で保存したいと思うのは当たり前ですよね。
きれいに保存できるコツをマスターして、素敵な思い出にして下さいね。