水生昆虫のなかでも獰猛な食性で知られるのがタガメです。
肉食性でほかの水生昆虫や小魚はもとより、爬虫類のヘビやカメなども捕食する姿は、まさに水中のギャングという異名に相応しくエネルギーに満ち溢れています。
水生昆虫の生態系ではトップクラスに君臨するタガメですが、どのくらいの寿命を持っているのでしょうか。
意外と短い?タガメの寿命
自然のなかに生息するタガメの平均的な寿命は約1年です。
水質や水温の管理、餌の供給が安定している飼育環境が整った状態でも2年~3年の寿命が一般的です。
タガメが寿命を終えるまでは、産卵や孵化、繁殖行動など生命の営みがあり、絶滅危惧種に指定されるほど数を減らしながらもタガメは、農薬を使っていない水田や水質の良い池や沼に生息しています。
6月~7月にかけて卵から孵化したタガメは5回ほどの脱皮を繰り返し、40日~50日ほどで成虫へと成長。
脱皮は幼虫から成虫になるために欠かせませんが、脱皮中にくわえて脱皮直後は無防備な状態になるため、共食いの対象となる危険なタイミングです。
10月頃から翌年の3月頃までタガメは冬眠状態で過ごします。
これは、自然の生息環境だけでなく飼育下においても同じで、飼育ケースの水面下で春先までじっとしています。
5月~6月にタガメは繁殖期を迎え産卵、一度の産卵で産む卵の数は約60個~100個ほどで、1シーズンに2回~4回の産卵が可能です。
7日間~10日間ほどで卵は孵化しますが、孵化するまでのあいだはオスが卵を敵から守ったり、卵が乾燥しないように補水作業をしたりします。
自然界で繁殖期から産卵をすませたタガメは翌年を迎えることなく寿命を終えるのが一般的です。
飼育下では2年~3年の寿命を持つ個体もいますが、産卵をおこなうことはほとんどなく、産卵は1シーズンというケースが多いです。
このような寿命サイクルで、タガメは次の世代に子孫を残していきます。
まとめ
タガメの寿命は自然のなかでは約1年ほど、飼育下でも2年~3年と意外と短いものでした。
水中のギャングと呼ばれるタガメも寿命までの時間、自分の子孫を残すため、精一杯生きているということですね。